古いホームページのリニューアルを検討する際の判断基準についてお伝えしていきます。
古いホームページ(ウェブサイト)をリニューアルするかどうかを検討する際、「Webデザインの古さ」が一つの判断基準となりますが、デザインの古さ自体はさほどホームページリニューアルの必要性に直結はしません。ただ、顧客の大半がWeb検索を行いホームページを通じて情報収集や比較検討をしています。そのような中、古くなったホームページをそのまま放置することはビジネスチャンスを失う事になりかねません。
とはいえ、「どのタイミングでリニューアルすべきか」「現状のままで問題ないか」の判断が難しいという声も多く聞かれます。
「一度作ったら終わり」と考えている方も多く、社内にWebの専門担当者がいない、リニューアルの必要性を感じていない等中小企業においてホームページの更新が遅れがちです。こうした背景が積み重なることで、気がつけば「何年もホームページが更新されていない」「スマホ対応もされていない」「情報が古くユーザーに誤解を招いている」ような状態に陥りやすくなります。
それでは中小企業が古いホームページのリニューアルを検討すべき具体的な判断基準を、実務的・戦略的視点から詳しく解説していきます。
「ホームページをリニューアルした方がいいのかどうか?」という点は「セキュリティ」と「ホームページの利用目的」から必要性を判断することができます。
セキュリティやWebマーケティング効果の低下という判断基準
「ホームページ内容の改ざん等、セキュリティリスクがある」、「Webマーケティング効果の低下」といった面から考えれば、ホームページリニューアルの必要性が出てくる場合があります。
この場合は、古いホームページ(ウェブサイト)はリニューアルした方が良いと言えるでしょう。セキュリティ面は、ウイルス感染や個人情報流出等、ホームページ運営のリスクとなるため逃れることができません。
リニューアルの判断のポイントは「セキュリティ」と「ホームページの利用目的」となります。
思い入れやホームページ利用目的、Webデザインなどの判断基準
Webデザインが古くても、現状の古いタイプのホームページに思い入れがある場合があります。この場合、「思い入れのあるホームページを残したい。その一方でリニューアルの必要性もどこかで感じている」というような場合、「大切な何かを残し、それでいてホームページのWebマーケティング効果を高める」という方法を模索していくしかありません。
Webデザインが古い、ホームページのフォーマットが古い、ページ追加がしにくい等の面は、「ホームページの利用目的」によってリニューアルの必要性からは除外される場合があります。ホームページを利用して本格的にWebマーケティング(問い合わせ獲得等)を実施しているわけではなく、会社案内の目的でホームページ運営している場合、Webデザインが古くても、アクセスが少なくても特に問題はありません。
技術的なリニューアルの判断基準
技術的なリニューアルの判断基準としては、スマホ未対応(レスポンシブ非対応)のものをスマホ対応に変更する、表示速度を改善するSSL化を実施するといったものがあります。スマートフォンからのアクセスが主流となった現在、スマホでの表示に対応していないサイトは、見づらく使い勝手が悪いため、ユーザーの離脱率が高まります。またモバイルフレンドリーではないサイトの検索順位は下がる傾向にあるためSEO面からも不利になります。また、古い設計のままでは、画像が最適化されていなかったり、不要なスクリプトが読み込まれていたりして、ホームページの表示速度が著しく遅くなることがあります。これもユーザー体験にも悪影響を及ぼしユーザー離脱率に影響与え、さらにSEO上のマイナス要因ともなります。さらにhttps化(常時SSL)がされていない場合、ブラウザで「保護されていない通信」と警告が表示され、信用低下につながります。SSL対応は今や常識であり、非対応のサイトは早急な対応が必要です。
運用面のリニューアルの判断基準
昔ながらのHTMLサイトは、更新に専門知識が必要で更新や修正のたびに発注をする必要があります。これにより、その都度依頼費用がかかる他、そもそもの情報更新が滞りがちになります。結果として「古い情報のまま放置されたサイト」になってしまいます。
情報が古い場合や不正確な場合もそのまま情報掲載されている場合もあります。スタッフが退職しているのにそのまま掲載されている、終了したサービスが紹介されている、価格改定後の情報が反映されていないと言ったことも起こり顧客とのトラブルの原因にもなります。
検討、判断を超えたリニューアルの考え方
このホームページリニューアルの必要性の検討、判断は、現状から導き出すのではなく、あえて再検討し、それらを超えたリニューアルの考え方を構築するのが一番です。「セキュリティ面」と「ホームページの利用目的」から導くリニューアルの方法として、セキュリティ面の更新やバックグラウンドの仕組みは最新のものにして、基本デザインは同じという形でリニューアルさせていただくことでWebデザインを維持してリニューアルを叶えることができます。
また、セキュリティ向上のためにphpバージョンを最新のものにして、新バージョンのphpでは使用できなくなった関数を削除し、一部の機能を停止させながら主要部分は稼働させるというようなケースもあります。
「セキュリティ面」と「ホームページの利用目的」から考えて最適であり、実際に最も多いご依頼はWordPress化のご依頼です。全体をWordPress化させていただくこともありますし、基本的なデザインが変更にならないようにとメインページの下にWordPressを設置する場合もあります。
リニューアルを成功させるためには目的の明確化が重要
古いホームページをリニューアルする場合、「とりあえず古いから直す」ではなく目的を整理することが重要です。
一つは抽象的な目的設定です。問い合わせを増やしたい、採用につなげたい、自社の強みを伝えたい、管理・更新を内製化したいと言ったものが挙げられます。
次にコンテンツの見直しです。「誰に、何を伝えたいか」を再定義しコンテンツの再構成と書き直しを行います。写真素材やスタッフ紹介を刷新するのも良いかもしれません。
中小企業にとっては、限られた予算の中でどれだけ効率よくホームページをを活用できるかが競争力に直結します。ホームページリニューアルを検討する際は様々な判断基準を明確化して自社の状況を客観的に見つめ直すことが重要です。