創業直後の小規模企業が取るべきWeb集客戦略とホームページ制作の依頼方法について。新規創業の小規模企業がWeb集客を行う上での正しい戦略と、ホームページ制作をどのように依頼すべきか、さらにSNS運用に依存することのリスクについて触れていきます。
Web集客とはWebを通じて集客することです。そしてWebを通じて「自然と売れる仕組み」を作る、つまりWebマーケティングを行うことが本質です。しかし多くの企業がWeb集客の「部分」のみに着目し、Web集客・Webマーケティングに失敗しています。新たに事業を立ち上げたばかりの企業にとって、最初に直面する課題のひとつが「どうやってお客様に知ってもらうか」という問題です。いくら優れた商品やサービスを持っていてもそれを知ってもらわなければ売上は生まれません。
Webを通じた集客を行う時には、まず「見られる対象」と「見込み客を集めること」が必要になります。創業当初の資金が限られている状況では、効果の高い集客手段を選んで戦略的に動く必要があります。そのような中で、しばしば候補に挙がるのが「SNSの活用」です。Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、TikTokやYouTubeショートなどは無料で始められる上に拡散性もあります。このため「まずはSNSから」という選択は非常に多く見られます。しかし、SNSはあくまで一時的な接点にすぎず、企業としての土台となる「Web上の拠点」がなければ、継続的な信頼獲得や売上につながらないという現実があります。
SNSだけでは不足する企業のWeb集客
創業初期にSNS運用だけに依存してしまう背景には、「無料で始められる」「操作が簡単」「他の企業もやっている」という、いわば手軽さへの期待があります。SNSはブランド認知の初動としては有効なツールです。投稿が拡散されたりユーザーとの距離が近かったりする点は、他のメディアにはない特長と言えるでしょう。しかし、その手軽さの裏には大きな落とし穴も潜んでいます。
SNSのフロー性 良い投稿でも時系列的に流れていく
SNSは「情報が流れていく」構造であるため、どんなに良い投稿をしても、時間が経つにつれて埋もれてしまいます。ユーザーは一つひとつの投稿に対して、深く情報を読み込むことは稀で、ほとんどが「流し読み」です。また、アルゴリズムの影響により、投稿が見られるかどうかが運次第になることも少なくありません。SNS集客は、SNS集客で自体が個人と個人の結びつきの強いWebサービスのため、「個人向け」で、「広告臭くなく」、「見る人に関係のある事柄」でないと、成果は上がりにくい傾向にあります。
SNSアカウント単体の「信頼性」の弱さ
さらに、SNSアカウント単体では「信頼性」が非常に弱いという問題もあります。創業したての企業がいきなりSNSを始めても、実績や導線が見えなければ、ユーザーから「本当に大丈夫な会社なのか?」と疑念を持たれてしまいかねません。これは、BtoBの取引先選定や高単価商品の購入を検討する顧客ほど顕著に現れます。つまり、SNSは「入口」であっても「受け皿」にはならないのです。信頼を得て、問い合わせや注文につなげるためには、企業の顔となるホームページが必要不可欠です。
企業のWeb集客・マーケティングの中心はホームページ
SNSが集客の「入り口」だとすれば、ホームページは実際の集客の場所、つまり企業のWeb集客・マーケティングの中心としての役割を担います。創業直後であっても、信頼を獲得し、顧客を導くためには、Web上に拠点となる場所が必要です。それが、まさに自社のホームページなのです。SNSの投稿から興味を持った見込み顧客が、あなたのホームページへと訪れる。そこには、会社概要、サービス内容、料金体系、導入事例、代表者の顔や理念などが、体系的にわかりやすく整理されている。こうした導線があることで、初めて「この会社に問い合わせてみよう」「この商品を買ってみよう」というアクションにつながっていきます。
多くの中小企業が見落としているのは、「ホームページを持っていること自体が信頼の証になる」という事実です。実体の見えないネットの世界において、きちんとしたホームページがあることは、「この会社はちゃんと存在している」「誰が責任者で、どういうサービスを提供しているのか明示されている」という安心材料になります。これは、SNSアカウントだけでは不足します。
また、SNSと違い、ホームページはコンテンツが資産として積み上がっていきます。ブログ記事や実績紹介、Q&Aなどは蓄積され、SEO(検索エンジン最適化)によって、検索からの流入を継続的に得ることが可能です。SNSのように情報が流れて消えていく構造ではなく、更新し続けることで「育つメディア」になります。創業期の限られたリソースを、SNS運用に全振りするのではなく、しっかりと自社ホームページで集客の土台を作ることが将来的な集客の安定につながるのです。
創業時に選ぶべきWeb集客
では、創業直後の企業がどのようなWeb集客手段を選ぶべきなのでしょうか?ポイントは、「即効性」と「持続性」のバランスです。まず短期的には、SNSや広告による集客が有効です。これはゼロからの状態でまず認知を得るための手段であり即効性があります。特に地域密着型のビジネスであれば、Googleマップと連携したGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の活用やMEO(マップ対策)も効果的です。適切に登録し、口コミや写真を増やしていくことで地元の検索結果に上位表示されやすくなります。
中期的には、SEOを意識したコンテンツマーケティングが有効です。自社ホームページ内に、業界に関連した記事やQ&A、導入事例などを蓄積していくことで、「検索して情報収集している層」にアプローチできます。これは時間と手間がかかるものの、資産として蓄積され、広告費をかけずに集客できる状態をつくることができます。そして長期的には、メールマーケティングやLINE公式アカウントによるリピーター育成が重要になります。顧客のリストを集め、定期的に情報発信することで、再来訪やリピート購入、紹介を促すことができるようになります。
このように、SNSは「短期的な拡散・接点づくり」として使い、ホームページは「情報の蓄積と信頼構築の基盤」として機能させ、その後の顧客との関係性は「CRM(顧客関係管理)」として整備していく。この流れを意識することで、Web集客の戦略に一貫性が生まれます。
ホームページ制作を依頼する時の注意点
多くの創業者が悩むのが、「どこにホームページ制作を頼めばいいのか」という問題です。知り合いの紹介で依頼することも多いですが、依頼先によっては、希望したようなサイトにならなかったりWeb集客効果がまったく得られなかったりするケースもあります。
まず注意すべきは、「安さ」や「見た目のデザイン」だけでホームページ制作会社・Web制作会社を選ばないことです。ホームページの役割は、単におしゃれな名刺を作ることではありません。集客のための仕組みとして機能することが最優先されるべきです。
そのためには、以下の観点で依頼先を選ぶことをおすすめします。
- ビジネスの戦略を理解し、提案ができるか
- SEOや導線設計に詳しいか
- WordPressなど、自分でも更新できる仕組みを導入しているか
- 納品後のサポート体制があるか
また、「サブスク型のホームページ制作サービス」にも注意が必要です。月額数千円で作れるという謳い文句の裏には、初期コストを下げる代わりに、長期的には割高になる料金体系や、カスタマイズの制限、解約時のデータ持ち出し不可といった落とし穴があります。
創業期だからこそ、一括で制作費を支払い、自由度の高い構造のホームページを所有することが、将来的な資産につながります。安さだけに惹かれず、「事業を育てるためのホームページ」を真剣に設計してくれるホームページ制作会社・Web制作会社を選びましょう。
ホームページ制作後が重要でありサイトを成長させてWebマーケティング効果を高めていく
ホームページは一度作れば終わりではなく、ホームページ制作後が重要でありサイトを成長させてWebマーケティング効果を高めていく事が重要です。確かに、立ち上げ段階では情報を整理し、必要なページを整えることが優先されます。しかしながらWeb上の集客とは、変化し続けるユーザーのニーズや検索トレンドに合わせて、常に情報を更新していく必要があり、ホームページは完成してからが本当のスタートです。たとえば、「お知らせ」や「ブログ」のような更新型のコンテンツを継続して追加することで、Googleなどの検索エンジンは「このサイトは活動している」と認識し、評価を上げていきます。結果として、検索順位の上昇や、アクセスの増加につながるのです。
また、ユーザーの閲覧履歴や問い合わせ内容をもとに、どのページが見られているか、どの情報が求められているかを分析し、それに応じてコンテンツを追加・修正していくことも重要です。これを「PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクル」と呼び、Webマーケティングの基本的な考え方となっています。特に創業期においては、「事業の方向性が動く」「サービス内容が変わる」「強みが明確になる」といった変化が頻繁に起こります。そのたびにホームページを修正・改善していくことができる体制を整えておくことが、Web集客の成果に直結します。ホームページは完成品ではなく常に改良し。成長させていくものであるという認識を持つことができるかどうかで、Webからの成果には大きな差が生まれてきます。
Web集客は「設計」と「継続」が重要
新規創業の小規模企業が取り組むべきWeb集客方法と、ホームページ制作の依頼のあり方について見てきました。創業直後の集客戦略は、手軽に始められるSNSに偏りがちですが、SNSはあくまで“きっかけ”に過ぎず、“信頼”と“決断”につなげるためには、自社ホームページというWeb集客の土台が不可欠です。SNSだけに依存することのリスクを避け、Web上に拠点を築く。その拠点を訪れたユーザーに対し、「この会社なら信頼できる」「この商品を買いたい」と思ってもらうためには、設計思想のあるホームページが必要です。そして、そのホームページは作って終わりではなく、継続的に更新し、改善していくことで、ようやく成果が見えてくるのです。
また、ホームページ制作を依頼する際には、単なるデザインや価格ではなく、「集客に必要な要素を備えているか」「更新・運用に強い体制かどうか」といった視点で慎重に判断することが求められます。創業という大きなチャレンジの中で、Web集客は時に後回しにされがちですが、早期に正しい設計と運用体制を整えておくことが、将来的な差を生む重要な投資になります。SNSとホームページをバランスよく活用し、着実に顧客と信頼を積み重ねていくことが、小規模企業の生き残りと成長へのポイントとなるでしょう。