SEO業者の勧誘として、お客さまのもとに来る電話営業は次のようなものです。
「今回ホームページを改良された目的は何でしょうか?SEOでしょうか?」
「御社が広告費としてSEOにかけられる予算はどれくらいでしょうか?」
「ホームページはそのままで、もっといろいろなキーワードで上位にしませんか?」
「検索結果上位表示期間だけの料金の発生になりますのでご安心ください」
ご連絡を頂いたお客さまより、SEO業者のサービス内容をお伺いしたところ、サイトの改良を伴わない月額サービスによる検索結果順位向上というサービス内容のようです。こういった手口のサービスは、検索エンジン最大手であるGoogle社が、ブラックハットSEOとして公式発表している「リンク販売」による検索順位向上の方法だと推測されます。
SEO会社のこういった手口のサービスは、検索エンジン最大手であるGoogle社が、ブラックハットSEOとして公式発表している「リンク販売」による検索順位向上の方法だと推測されます。
このタイプのSEOの手法は「リンク販売」であり、SEOではありません。
SEOにおけるリンク購入の危険性
ホームページからの集客力を高めるために、「SEO(Search Engine Optimization)」に取り組む企業が増えてきたことを受け、「被リンクの販売と購入」に関する問題が生まれました。SEO会社の中には、「被リンクを増やせば検索順位が上がります」と称して、有料リンクを販売する業者が存在します。一見すると効果的な近道のように思えるこの手法ですが、実際には重大なリスクが伴い、場合によってはGoogleからのペナルティによって検索結果から完全に除外される危険性すらあります。
「被リンク」と「リンクファーム」
被リンクとは、外部のWebサイトから自社のホームページへ張られたリンクのことです。Googleは、長年にわたりこの被リンクを「他サイトからの推薦」として評価してきました。そのため、質の高い外部サイトから多くリンクされているページは、検索順位でも優遇されやすいとされています。こうした背景から、SEO会社の中には「人工的にリンクを集めれば順位が上がる」として、有料でリンクを売るビジネスが生まれました。例えば、数百~数千のブログを量産し、そこから特定のサイトへリンクを集中させるという手法や、「リンクファーム」と呼ばれる相互リンクネットワークを構築してリンクを流す仕組みなどがその典型です。
こうしたリンク購入により、短期間で順位が一時的に上昇するケースも見受けられます。しかし、この方法はGoogleの定める「ウェブマスター向けガイドライン」に明確に違反しており、「スパムリンク」と判断されれば、サイト全体が検索結果から大幅に順位を下げられる、またはインデックス削除(検索対象からの完全な除外)といった厳しいペナルティを受けることになります。
Googleは年々、こうした不正なリンク手法に対して取り締まりを強化しており、「ペンギンアップデート」以降のアルゴリズム改変によって、人工的なリンクの効果を無効化する、またはマイナス評価する仕組みが導入されています。つまり、かつては効果があったとしても、現在ではむしろリンクを買うことで検索順位が落ちるリスクが高いという時代になっているのです。
SEO会社の営業
それでも一部のSEO会社は、「うちのリンクは安全です」「独自ネットワークでばれません」などと甘い言葉を使って営業してくることがあります。特に、SEOに不慣れな中小企業に対して、「月額○万円で順位保証」といった形で提案し、被リンク操作に誘導するケースも少なくありません。こうした提案には慎重に対応する必要があります。たとえ契約期間中は順位が上がったとしても、そのリンクの供給が止まれば順位は一気に下落しますし、Googleに不正を見破られれば、企業のWeb上での信用そのものを損なうことにもなりかねません。一度ペナルティを受けたサイトを回復させるのは非常に困難で、場合によってはドメインを変更する必要があるほどの損害となることもあります。
では、どうすれば健全なSEO対策を進めることができるのでしょうか。答えはシンプルで、「検索ユーザーにとって価値のあるコンテンツを地道に積み上げる」ことに尽きます。役立つ情報を丁寧に発信し、自然な形で他のサイトやブログから紹介されるような状態を目指すのが、本来あるべきSEOの姿です。被リンクも、信頼性のあるメディアや業界団体からのものが少しずつ増えていけば、結果として検索エンジンの評価も自然に上がっていきます。
さらに、企業ブログの運営や実績紹介のページ作成、あるいは地元メディアや取引先との協力によって自然な広がりを作ることも、有効な手段です。これらには即効性はないかもしれませんが、リスクなく長期的な集客基盤を築くためには必要不可欠な取り組みです。SEO会社に対して外注を検討する場合は、施策の内容をしっかり確認し、「被リンクの提供」や「順位保証」といった言葉が出てきたら、警戒する姿勢が求められます。本当に信頼できるSEO支援とは、検索エンジンを欺くのではなく、ユーザーに役立つホームページを一緒に作り上げていく方針であるはずです。