WordPressサイト制作・運営の注意点

WordPressサイト制作・運営の注意点

WordPressサイト制作・運営の注意点。

WordPressサイトの制作や運用にあたり、投稿などの操作は、WordPressサイト運営上においても比較的安全ですが、WordPressプラグインの設定やプラグイン同士の競合、WordPressテーマファイルの操作によって、WordPressサイトが機能しなくなる危険性があります。

WordPress本体やテーマ、プラグインの更新によって互換性エラーが生じたり、更新途中のエラーによってWordPressが機能しなくなるケースもあります。

こうしたWordPressサイトの復旧につきましても対応させていただいております。

「簡単」という言葉の裏に潜む構造的なリスク

WordPressは、世界中で最も普及しているCMS(コンテンツ管理システム)であり、その魅力は「誰でも簡単に更新ができる」点にあると言われています。しかし、この「簡単」という言葉は、あくまで記事を投稿したり、画像を差し替えたりする「日常的な運用」に限った話です。

システムの根幹に関わる部分、つまりテーマファイルの編集、プラグインの選定と管理、そしてコアシステムのアップデートといった保守領域においては、決して簡単ではありません。むしろ、高度なPHPの知識、データベース(MySQL/MariaDB)の理解、サーバー設定(Apache/Nginx)の知識が求められる、非常に繊細なプラットフォームです。

多くのトラブルは、この「投稿の簡単さ」と「管理の難しさ」を混同してしまった時に起こります。管理画面にボタンがあるからといって、そのボタンをいつでも押して良いわけではありません。ここでは、制作や運営の現場で実際に起きているトラブルの裏側にある、技術的な原因とリスクについて詳述します。

functions.php編集という「時限爆弾」

WordPressのカスタマイズにおいて、最も事故が起きやすいのが functions.php の編集です。インターネット上の技術ブログなどで「このコードを貼ればこんな機能が追加できる」という情報を見かけ、見よう見まねで追記した経験があるかもしれません。

しかし、functions.php は単なる設定ファイルではなく、PHPプログラムそのものです。たった一箇所、セミコロン(;)が抜けていたり、全角スペースが混入していたりするだけで、サイト全体が「500 Internal Server Error」や真っ白な画面(White Screen of Death)になり、管理画面にすら入れなくなります。

プロの現場では、WordPressの管理画面にある「テーマファイルエディター」は絶対に使用しません。必ずFTPソフトなどを使い、ローカル環境でコードを書き、構文チェックを行い、テスト環境(ステージング)で動作確認をしてから、本番環境にアップロードします。管理画面から直接コードを書き換える行為は、命綱なしで綱渡りをするようなものであり、事業用のホームページで行うべきではありません。

プラグインの競合と依存関係の崩壊

「便利な機能が必要ならプラグインを入れればいい」という考え方も、重大なリスクを孕んでいます。プラグインは、世界中の異なる開発者が、異なる設計思想とコーディング規約で作ったプログラムの集合体です。

これらを無秩序にインストールすると、内部で読み込まれるJavaScriptライブラリ(jQueryなど)のバージョンが衝突したり、CSSのクラス名が重複したりして、表示崩れや機能不全を引き起こします。これが「競合」です。

また、プラグイン同士の相性だけでなく、サーバーのPHPバージョンとの互換性も問題になります。古いプラグインを使い続けていると、サーバー側でPHPのバージョンアップが行われた際に、廃止された関数(Deprecated functions)が原因でエラーを吐き出し、サイトが停止することがあります。

プラグインを入れるということは、その開発者にサイトの命運の一部を預けるということです。更新頻度は高いか、サポートは継続しているか、コードの品質は担保されているか。これらを見極める目利きがなければ、サイトはいつか必ず破綻します。

「更新」ボタンを押す前の儀式

WordPress本体、テーマ、プラグインには定期的にアップデートが配信されます。セキュリティパッチが含まれることも多いため、更新は推奨されますが、ここにも罠があります。

何も考えずに「すべて更新」ボタンを押した瞬間、サイトが真っ白になるケースは後を絶ちません。これは、メジャーアップデート(例:バージョン5.xから6.xへ)によって仕様が大きく変更されたり、使用しているテーマが新しいWordPressの仕様に対応していなかったりする場合に起こります。

特にECサイト(WooCommerceなど)や、会員サイトのような複雑な機能を実装している場合、アップデートによる影響範囲は甚大です。プロが行う保守では、いきなり本番環境で更新することはまずありません。必ずバックアップを取り、テスト環境で更新を適用し、表示崩れや動作不良がないかを入念にチェックした上で、本番環境に適用します。

自動更新設定も便利ですが、企業サイトにおいては「いつの間にかサイトが壊れていた」という事態を招きかねないため、安易な設定は避けるべきです。

データベースの肥大化とパフォーマンス低下

長くサイトを運営していると、目に見えない部分、つまりデータベースが汚れていきます。

WordPressは、記事を保存するたびに「リビジョン(履歴)」を保存します。数百記事を書けば、リビジョンデータは数千、数万件に膨れ上がります。また、削除したプラグインが残していった不要な設定データ(ゴミ)が、wp_options テーブルに蓄積され続けることもよくあります。

データベースが肥大化すると、データの呼び出しに時間がかかり、サイトの表示速度(TTFB)が著しく低下します。これはユーザー体験を損なうだけでなく、SEO(検索順位)にも悪影響を及ぼします。

表面的なデザインの修正だけでなく、定期的にデータベースの最適化(オプティマイズ)を行い、不要なデータを削除して整理整頓を行うことも、安定した運営には求められます。ただし、データベースの直接操作は、失敗すれば全データを失うリスクがあるため、専門知識を持ったエンジニアが担当すべき領域です。

セキュリティリスクとWAFの誤検知

世界で最も使われているCMSであるということは、世界で最も攻撃の標的になりやすいということでもあります。ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)による不正ログインの試行は、日常茶飯事です。

これに対抗するため、多くのレンタルサーバーにはWAF(Webアプリケーションファイアウォール)が導入されています。しかし、このWAFが時として、管理者の正当な操作を「攻撃」と誤認して遮断することがあります。

「記事を保存しようとしたら403エラーが出た」「設定を変更しようとしたら弾かれた」という場合、WAFの設定調整や、除外ルールの記述(.htaccess編集など)が必要になります。セキュリティと利便性のバランスを取りながら、適切な設定を維持することは、一筋縄ではいきません。

バックアップは「保険」ではなく「義務」

どれだけ気をつけていても、トラブルをゼロにすることは不可能です。ヒューマンエラー、外部からの攻撃、サーバートラブルなど、不測の事態は必ず起こります。

その時、サイトを元の状態に戻せるかどうかを決めるのは、バックアップの有無だけです。ここで言うバックアップとは、サーバー会社が提供している自動バックアップだけでは不十分です。サーバー自体に障害が起きた場合や、バックアップデータごと改ざんされた場合には役に立たないからです。

外部のストレージに、定期的に、自動でバックアップを転送する仕組みを構築し、さらに「いつでも復元できる手順」を確立しておく必要があります。バックアップデータを持っていても、復旧手順がわからなければ意味がありません。

プロフェッショナルによる保守の価値

ここまで述べてきたように、WordPressサイトの運営は、単に記事を書くだけでなく、システムエンジニアリングの要素を多分に含んでいます。

自社の担当者が本来の業務である情報発信やマーケティングに集中するためには、裏側の技術的なリスク管理をプロに任せることが最も合理的です。

サイト制作後の保守管理はもちろん、他社で制作されたWordPressサイトのトラブルシューティングや復旧作業にも対応しています。「管理画面に入れない」「表示が崩れた」「更新するのが怖い」といったお悩みがあれば、致命的な状態になる前にご相談ください。

専門的な知見に基づき、原因を特定し、安全かつ確実にサイトを正常な状態へと戻します。Webサイトは企業の顔であり、24時間働き続ける営業拠点です。その安全を守るために、確かな技術力をご活用ください。

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