ホームページの高速表示化とSEOにはある程度関係があり、高速表示化は、SEO内部対策としての側面を持っていますが、ページの応答速度・表示速度の向上は、「ユーザーのホームページ閲覧性」に直結するため、SEOとしてだけでなく、ホームページによるWebマーケティングのコンバージョンにも影響を与えます。Googleは表示の応答時間が長い、重たいホームページの評価を下げる旨を公式アナウンスしていますが、実際にどの程度ホームページの表示速度が検索ランキングに影響を及ぼすのかは、はっきりしていません。
モバイルSEOとしての高速表示化とSEO
モバイル検索時には、ホームページの表示速度、ページの転送速度が特にSEOと関係し、応答速度が検索ランキングに影響を与えるため、顧客層にモバイルユーザーが多い店舗ホームページなどの場合は、全体的なホームページのモバイルフレンドリーに加えて、表示速度の向上を検討する必要があります。PCはブロードバンド回線であるため、モバイルSEOとしての高速表示化という要素が強い傾向にあります。
高速表示化の要素
ホームページの高速表示化にあたり、高速表示化の要素として基本的にはフロントエンド側の高速化作業とバックエンド側の高速化作業に大分類されます。サーバーサイドの高速表示化が難しい場合でも、よほどの大規模サイトでない限り、SEOを考える上での高速表示に関してはフロントエンド側の工夫でも十分に対応可能です。
ホームページの表示速度改善は、単にSEOのためだけでなく、ユーザー体験(UX)の質を高め、離脱を防ぎ、成果に直結する多面的な施策です。しかも、画像最適化やキャッシュ制御など、技術的なハードルが低い施策も多く、今すぐ取り組む価値があります。重要なポイントは、画像最適化・キャッシュ設定・JS/CSS圧縮です、そしてサーバー・CDN・テーマの見直しなどがあります。
SEOにおける表示速度の影響
SEOにおける表示速度の影響は今後も増していくと予想されます。ホームページの表示速度(ページスピード)は、SEOにおける重要な評価指標のひとつであり、特にモバイル検索ではその影響が顕著となっています。Googleは2018年の「Speed Update」において、モバイル検索結果においてページスピードをランキング要因として採用することを発表しました。また、Core Web Vitals(コアウェブバイタル)においても「ページの読み込み速度」「インタラクションの応答性」「視覚的安定性」が重要視されています。
さらに、表示速度の遅いページはSEOの面だけでなく、離脱率の上昇、直帰率の増加、回遊率・コンバージョン率の低下といったユーザー行動上のマイナス要因が発生しやすくなります。
表示速度の指標
- LCP(Largest Contentful Paint):主要コンテンツの表示完了時間(目標:2.5秒以内)
- FID(First Input Delay):ユーザーの初回操作への応答時間(目標:100ミリ秒以内)
- CLS(Cumulative Layout Shift):レイアウトの視覚的ズレ(目標:0.1以下)
サイト表示の高速化のための施策
- フロントエンド最適化 画像圧縮、CSS/JSの縮小・非同期化、キャッシュ設定 難易度:低~中 重要度:非常に高い
- サーバー/インフラ面 高速サーバー導入、CDN利用、HTTP/2対応 難易度:中~高 重要度:高い
- 外部要因の制御 外部スクリプトの読み込み最適化(広告・SNSなど) 難易度:中 重要度:高い
- モバイル対応 レスポンシブデザイン、AMP導入 難易度:中~高 重要度:中~高
- CMS・テーマ側の改善 WordPressプラグイン整理、軽量テーマの選定 難易度:中 重要度:中
画像の最適化(優先度:非常に高・難易度:低)
Webページの容量の大半を占める要素が画像です。画像の最適化は、手軽で効果が大きく、まず最初に実施すべき施策です。
- JPEGやPNGをWebP形式に変換
- PhotoshopやTinyPNGなどで事前圧縮
- HTML上での画像サイズ指定
- 遅延読み込み(lazy load)の実装
キャッシュ制御(優先度:高・難易度:中)
ブラウザキャッシュやサーバーキャッシュの設定を行うことで、ユーザーの再訪時に読み込みを高速化できます。
- .htaccess によるブラウザキャッシュの指定
- サーバー側でのページキャッシュプラグインの導入
- オブジェクトキャッシュの導入
CSS・JavaScriptの圧縮と遅延読み込み(優先度:高・難易度:中)
- 不要なCSSやJavaScriptの削除
- 使用していないライブラリの読み込み除去
- defer や async 属性を使った読み込みの最適化
- 可能であればJavaScriptをフッターで読み込む
モバイル対応と表示速度の関係
モバイルユーザーが主流となった現在、スマホ表示の速度はSEOでも重要視されます。
- モバイルファーストデザインの採用
- レスポンシブ対応の徹底
- モバイル画面での画像最適化
高速サーバーへの乗り換え(優先度:高・難易度:中~高)
レンタルサーバーの性能はページ表示速度に直結します。特にアクセスが増えてきたサイトでは共用サーバーからVPSやクラウドサーバーへの移行が検討されるべきです。
- レンタルサーバーの応答時間を確認(TTFB指標)
- HTTP/2、HTTP/3対応の有無
- SSD対応、nginxの採用
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の活用(優先度:中~高・難易度:中)
CDNを利用することで、世界中のユーザーに対し地理的に近いサーバーからデータを配信できるようになり、速度が向上します。
Cloudflare、AWS CloudFront、Fastlyなどが有名
WordPress特有の改善点
- 不要なプラグインの整理
- 使っていないプラグインの削除
- 高負荷なプラグイン(バックアップ・SNS・統計系など)に注意
- 一部機能をテーマやfunctions.phpに統合する
- ブロックエディタに最適化された軽量テーマ軽量なテーマへの切り替え
- 過剰なエフェクトやビジュアル重視のテーマは要注意
外部スクリプト
SNS埋め込み、Google Fonts、YouTube動画、広告タグなど、外部スクリプトは速度低下の原因の代表格です。
- Google Fontsはローカル読み込みに変更
- SNSボタンは画像リンク化または遅延読み込み
- YouTube動画は静的サムネイル+クリック後読み込み
特にタグマネージャーやリマーケティングタグなどのマーケティングツール系は慎重に扱う必要があります。