WordPressテーマのCSS編集・CSS調整。WordPressテーマのCSS編集のみで対応できるものはCSSの調整で対応させていただいております。これはWordPressテーマの外観のスタイルエディタで実施します。
しかし、WordPressテーマによっては、最終的なWebデザインの決定の際にCSSの設定よりもテーマカスタマイザーによる設定を優先するものがあります。この場合、WordPressテーマの仕様を若干変更する必要があるケースがあるため、初期のお見積額より価格が変動するケースがあります。
WordPressを使ってホームページを運用していると、「フォントサイズを少し変更したい」「メニューの色を変えたい」「余白をもう少し整えたい」といった微調整をしたくなる場面が出てきます。この時にCSS(スタイルシート)の編集・調整が必要になります。CSS(Cascading Style Sheets)はWordPressサイトをはじめホームページの「デザインやレイアウト」を設定する言語で色、フォント、位置、余白、サイズ、背景などの装飾情報を与えます。WordPressでは、使用している「テーマ」があらかじめCSSを定義しています。それにより統一されたデザインが自動的に反映されています。
しかし、既存テーマのデザインが自社の雰囲気と合わなかったり、より見やすくしたいと感じる場合には、このCSSに手を加えることで柔軟なカスタマイズが可能になります。
WordPressテーマのCSS編集・調整は、デザインの微調整から始まり、ユーザビリティの改善、SEO評価の向上、そして長期的な運用効率まで多岐にわたって影響を及ぼします。テーマカスタマイザーとCSSの関係を理解し、子テーマを用いた安全な編集を実施し、キャッシュの仕組みを踏まえて反映を確認することが基本です。そのうえで、アクセシビリティやCore Web Vitalsを意識した調整を行えば、単なる見た目の変更を超えて、検索エンジンとユーザーの双方に高い評価を得られるホームページへと成長させることができます。
子テーマによるCSS編集
WordPressテーマのCSSを編集する場合、子テーマ(Child Theme)を作成して、そこでCSSを上書きするのが基本的な方法です。親テーマのまま直接ファイルを変更すると、テーマの更新時に変更が上書きされ、せっかくの編集内容がすべて消えてしまうため子テーマの利用が推奨されます。子テーマは、親テーマの機能を継承しつつ、独自のデザイン変更を安全に加えるための仕組みです。
WordPressでのカスタマイズにおいて基本となるのが「子テーマ」の利用です。親テーマを直接編集するとアップデートの際に変更が失われてしまうため、必ず子テーマを作成し、そこで独自CSSを追加・上書きするのが推奨されます。
子テーマはstyle.cssを用意するだけでも機能しますが、functions.phpを追加することで独自スクリプトの読み込みや親テーマCSSの読み込み順序の調整も可能です。これにより、更新性を維持しつつ安全にデザインを変更できます。特に長期的に運用する企業サイトやECサイトでは、テーマのアップデートは避けられないため、子テーマを使った編集は必須の体制といえるでしょう。
テーマカスタマイザーとCSSの関係
WordPressには「外観」メニューからアクセスできるテーマカスタマイザーがあり、多くのテーマでは色やフォント、レイアウト幅などをGUIで変更できるようになっています。テーマによってはこの設定がCSSよりも優先される場合があり、CSSを直接編集しても思った通りに反映されないケースがあります。これはテーマ開発時に「!important」指定を多用していたり、独自のカスタマイザー機能が上書きする設計になっていることが原因です。
このような場合、CSSだけでは対応できないため、PHPファイルの一部を編集したり、テーマ設定の仕様そのものを見直す必要が出てきます。場合によっては初期見積もりより作業コストが増加することもあり、開発側としても事前にテーマの仕様を十分に確認しておくことが重要です。
CSS編集の反映
CSS編集を実施しても表示に反映されない場合は、ブラウザキャッシュやキャッシュプラグインの影響の可能性があります。編集後は必ず「スーパーリロード」やキャッシュ削除を行って確認してください。
CSS編集が反映されない場合の原因と対処
CSSを編集しても変更がブラウザ上に反映されない場合、キャッシュが原因であることが多くあります。ブラウザキャッシュ、サーバー側のキャッシュ、さらにWordPressのキャッシュプラグインが複合的に影響しているケースも少なくありません。編集後は「スーパーリロード」で強制的にキャッシュを無視するか、キャッシュプラグインのクリア機能を使って確認することが必要です。
CDN(Content Delivery Network)を利用している場合、CDNキャッシュの更新を忘れると編集結果が反映されないことがあります。大規模サイトほどこの問題が発生しやすく、デザイン調整の際にはキャッシュの多層構造を理解しておくことが運用上欠かせません。
SEOとユーザビリティとCSS調整
CSS調整は見た目の美しさを整えるだけではなく、SEO評価にもつながります。フォントサイズを適切にすることでモバイルユーザーが読みやすくなり、モバイルフレンドリー評価が改善されます。余白や行間を最適化することでコンテンツが視認しやすくなり、離脱率が下がります。色彩コントラストを調整すれば、アクセシビリティが向上し、特に視覚的制約を持つユーザーに配慮した設計が可能となります。Googleは近年、アクセシビリティをSEOの評価基準に組み込みつつあるため、CSS調整は単なるデザイン要素を超えた施策といえるのです。
また、CLS(Cumulative Layout Shift)を改善するためにもCSS調整は重要です。画像や広告の読み込みによってレイアウトが崩れるとユーザー体験が大きく損なわれ、Core Web Vitalsの評価が下がります。CSSで適切な高さや幅を指定しておけば、コンテンツの揺れを抑えることができ、SEO評価の安定につながります。
運用における注意点
CSS編集は運用フェーズに入ってからも頻繁に必要になります。新しいバナーやキャンペーンページの追加、ECサイトの商品ページデザインの改良、ブログ記事の装飾調整など、日常的な運用で細かいニーズが発生するからです。この際、編集内容を管理せず場当たり的に追加していくと、コードが複雑化し、保守性が低下します。結果として将来的にテーマ全体を刷新せざるを得ない事態に陥ることもあります。
CSS編集を行う際には必ずコメントで変更箇所を明示し、スタイルを一元管理できる体制を整えることが望まれます。特に複数の担当者が関わる場合は、修正ルールや記法を統一しておくとトラブルを防げます。
さらに、将来的にテーマを変更する可能性がある場合には、独自CSSを子テーマや追加CSSにまとめておくことで移行がスムーズになります。テーマ固有のクラス名や構造に依存しすぎない書き方を意識すれば、別テーマに乗り換えた際の調整工数を大幅に削減できます。