近年ではWordPressテーマ販売が盛んになり、WordPressサイトを自社制作するというケースも増えてきていると考えられます。しかしそうしたWordPressサイトの自社制作にはデメリットがあります。それは、WordPressサイトを作ることは達成できても、結局Web集客力がないサイトになってしまう可能性が高いという点です。
WordPressはオープンソースのCMSであり、テンプレートやプラグインが豊富で、Webに詳しくない人でも比較的簡単にホームページを作ることができるいう点が魅力です。様々な企業が低コストでホームページ制作を行う目的で、自社でWordPressサイトの制作・運用を試みています。しかしながら、WordPressなら誰でも簡単に作れるというイメージが先行しすぎた結果、企業ホームページとしての信頼性や運用性に課題を抱えるケースも後を絶ちません。WordPressによる自社制作における代表的なデメリットや注意点、そしてそれに対する対応策について考えてみましょう。
コンテンツの企画設計やSEOの面は、想像以上に大掛かりな作業となります。
簡単なサイトならばWordPressテーマを利用して制作することができます。しかしそれは、アクセスを獲得できず、問い合わせ獲得ができないサイトになりがちです。
WordPressテーマ販売者のサービスは、あくまでWordPressテーマを用意することのみです。
そのWordPressサイトが実際のWebマーケティング効果をもたらすのか、ということには、責任はありません。テーマが売れればミッション完了です。なので責めることはできません。
WordPressサイト自社制作の自己責任
問題は、WordPressテーマの安価さと一般的なホームページ制作費用を天秤にかけて、自社制作を選んだ人たちです。
よほどのスキル、コンテンツ制作能力がなければ、結果は出ません。
求めているものがホームページの公開のみならばそれでも良いですが、結局集客効果がないのであれば、ホームページ自体がほぼ不要です。簡単な会社案内、営業時間案内とアクセス案内の機能はあります。しかしそれ以上ではありません。
WordPressサイトをホームページ制作会社・Web制作会社に依頼するメリット
WordPressサイトを自社で制作する理由や動機やメリットとデメリット
WordPressサイトを自社で制作する理由や動機やメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリットとしては制作費用を安く抑えられる、社内で自由に更新できる体制を構築できる、外注を要さないため制作スピードをコントロールしやすくまた、社員のスキルアップや情報発信体制につながるという点があります。しかし適切な知識や準備がないまま自社制作に踏み切った場合には、大きなリスクとなる可能性があります。
WordPressサイトの自社制作における主なデメリットと注意点としては、セキュリティ対策が不十分になりがちという点やSEOへの配慮が不足しやすいというような点です。セキュリティ面では古いプラグインの脆弱性を突かれる可能性もあります。
SEO面で考えるとWordPressにはSEOに有利な構造が備わっていますがそれは「適切に設計・運用された場合」に限られます。自社制作では、タイトルやディスクリプションが適当・未設定といったメタ情報の問題、内部リンクやサイト構造が複雑でユーザー導線が分かりにくい、サイトの表示速度が遅い(画像サイズ最適化不足、キャッシュ未設定)などの技術面の問題、パンくずリストの未設置、画像のalt属性の未入力、404エラーページ放置など、基本的なSEO要件が抜けてしまうこともあります。
WordPressによる自社制作は、コスト面や柔軟性というメリットがある一方で、一定以上の知識・体制がなければトラブルや成果不足につながるリスクも大きい選択肢です。WordPressサイトの価値は「公開して終わり」ではなく、公開後の運用・改善によって初めて企業にとっての成果が見えてくるものです。「初期構築は外注し、運用は社内で行う」「定期的な保守・監査は依頼する」といった中間的な選択肢も有効です。中長期的な運用体制を見据えた対応策を考えておく必要があります。
WordPressサイトの中身の企画・設計の甘さ
WordPressに限らず自社運営サイトはWebマーケティング視点のサイトの企画・設計が甘く、サイトのコンテンツの質やSEOが中途半端になりやすいため「低品質サイト」になりやすい傾向にあります。こうした点については曖昧で、WordPressサイトを作ることだけが目的になっている場合があります。これがWordPressサイトの自社制作の一番のデメリットです。
近年では有料WordPressテーマを購入して自社でサイト運用を実施するケースがあります。
この時「有料のものを使っているから立派なものができる」という感覚がある場合は危険です。
ホームページを制作、公開することに気を取られ、どのような人にどのようなメッセージを伝えてWebマーケティングに活かすのかという点が曖昧になりがちでホームページ企画・設計の甘さにより低品質サイトになりやすく、また、アクセス獲得の面に無頓着になりやすいという点もあります。
さらにサイト公開から数年経過すると徐々に各種バージョンの更新に伴う不具合が発生する可能性が高まってきます。WordPress本体やプラグイン、phpのバージョンによる互換性エラー発生時の対応やバックアップ・復元等の問題が出てきた場合の対応策も事前に考えておく必要があります。